プロセスワークとは(9000文字位でわかるプロセスワーク)

プロセスワーク

プロセスワークを少ししっかりした量(9000文字くらい)で、説明してみたいと思います。(上の写真は2013年当時、ポートランドのプロセスワーク研究所)

最終更新2023年1月17日

はじめに

ほとんどプロセスワークを知らない人が、9000文字くらいで、プロセスワークが、ある程度分かった感じになれるページを目指して、更新しています。まだ、文字数が足りないですが、増やしていきます。

急いでいる方は、私がプロセスワークとはなにかを、とっても短く書いたページがありますので、以下をどうぞ。

「プロセスワークってなに?」 by 伊勢谷 二郎 http://www.ewsp.cc/main/p/JpWhat.html

英語でも問題ないという方は、以下のウェブへどうぞ。プロセスワーク、プロセス指向心理学の、主な創始者アーノルド・ミンデル氏と、奥様のエイミー・ミンデルが一緒にやっている、公式ウェブです。

400 Bad Request

プロセスワークとは

プロセスワークは、ワールドワーク、深層民主主義という側面もあり、カウンセリング、コンサルテーション、コーチング、ファシリテーション、問題解決、アート、ビジネス等、いろいろな分野に使われています。

私の知っている一番短いアーノルド・ミンデル氏によるプロセスワークの定義は”If it works, it is Process Work.”というものです。「効いてればプロセスワーク」「機能していればプロセスワーク」「いい感じだったらプロセスワーク」みたいな感じだと思います。

名称、呼び名

名前ですが、プロセスワークの他にも、プロセス指向心理学 (POP: Process Oriented Psychology ) が、それなりに使われています。国や地域によって、臨床心理士の免許などの関係もあり、「心理学」を避けたり、つける必要があったりします。

私の居る米国オレゴン州では、心理的な治療をするには、 Licensed Professional Counselor等、免許を持っている必要があります。私は、臨床心理士の免許は持っていないので、「心理学」のついていないプロセスワークが安全で便利な感じがします。

2022年にプロセスワーク誕生40周年記念セミナーなどがありました。初期の頃には、「ドリームボディーワーク」と「プロセス指向心理学」が両方使われていた時期もあり、その後「プロセスワーク」の頻度が上がってきました。英語の表記では Process Workと2語で表現される時も processwork と1語になるときもあります。 Earth Based Psychologyという本が出版された辺りから、また「プロセス指向心理学」も、以前より多くの機会で、まぜて使われるようなったような印象を持っています。2023年現在ミンデル氏のウェブでは、題名などは「プロセスワーク」が使われていますが、プロセスワークが何かを説明する、本文の内容は「プロセス指向心理学」という名前が主にページの上の方では、多く使われています。ページの下の方へ行くとプロセスワークが使われています。

アーノルド・ミンデル

アーノルド・ミンデル氏は、小さい頃から夢に大変興味を持っていて、MIT(マサチューセッツ工科大学)で量子の逆行を研究し、スイスのユング研究所を卒業して、トレーニングセラピストとしても活躍しました。プロセスワークは、老子の思想、道教などの人智を越えたものも視野に入れた、問題解決への取り組みの体系です。身体症状にも夜見る夢との関連性を見つけたところから始まり、シャーマニズム、易経、タオイズム、量子力学、非暴力的な市民運動等の考え方や活動に、大きな影響を受けていると思います。

プロセスワークの領域、ルーツと未来

プロセスワークは、臨死のワーク(コーマワーク、植物人間状態、昏睡状態の人の 内的旅をサポートする為の技術)や、グループ、組織、家族、社会等の葛藤解決(コンフリクト・レゾリョーション)の 色の強い「ワールドワーク」や、深層民主主義の一形態としてのオープンフォーラム 、タウンミーティングにも力を入れ、日々発展広がりを続けている 理論と実践です。

ミンデル夫妻のウェブにある「プロセスワークの木」2020年版に沿って、プロセスワークの色々な部分を見ていきましょう。

まず、プロセス指向心理学を、木に例え、葉っぱのある地上部分「地球の未来」と、根っこの部分「アウェアネス気づきのルーツ」の二つに分けています。

根っこの部分は、ユング心理学、ダオ(タオ)イズム(老子の思想)、自然、物理学、シャーマニズムの5つの部分があります。

地上部分「地球の未来」は、ワールドワーク、コンフリクトワーク(紛争、葛藤への取り組み)、教育と社会問題、極端な状態/意識変容状態、コーマ昏睡と臨死が左側にあります。右側は、内的な取り組み(インナーワーク)、創造性、ムーブメント(ダンス、動作等を使った取り組み)、関係性、組織への取り組み、夢やドリームボディーと症状への取り組みがあります。

3つのリアリティーモデル

プロセスワークの3つのレベル

プロセスワークでは、3層で構成される、リアリティーモデルを使っています。通常、逆三角形の、一番広い一番上には、コンセンサスリアリティー(合意のあるリアリティー)、真ん中のレベルが、ドリームランド、一番下の尖った部分に、エッセンスレベルが位置します。

コンセンサスリアリティー、合意のある現実は、多数派の人が、意識的に、または無意識的に、合意をし、できているリアリティーです。多数派の人から、普通の現実として認識されているリアリティーです。教科書でも辞書でも、百科事典でも確認できますし、ビデオを取ると、記録されるリアリティーです。多くの人に確認しても、多数の人がそうだと認めるリアリティです。

ドリームランドは、非合意的な現実です。ビジョン、夢、間違い、問題、事故など、本人や、認識していた関係、家族や組織の起こる、普通でないこと、夢みたいな出来事、思い違い、誤解、誤動作、珍しい事件、未知の事柄等が、このレベルに属します。

エッセンスレベルは、いくつかの別名を持っています。プロセスマインドレベル、センシエントレベルと呼ばれることもあります。このレベルのリアリティーは、世界との一体感や、すべてがつながっている、世界は一つである等、部分と全体が、すべて一つになるレベルのリアリティーで、伝統的な宗教でも、新しい精神的な教えでも、比較的よく使われるリアリティーです。

ドリーミングとは、夢の概念を大きく拡張した概念です。プロセスワークをとても単純に表現すると、全てのリアリティーは、ドリーミングからできている、という見方もできると思います。

ドリーミングは、エッセンスレベルから生起して、ドリームランドへ抜け、コンセンサスリアリティーへ吹き上げてきます。

チャンネル

チャンネルの理論は、主にNLP: Neuro-linguistic Programing 神経言語プログラミングから借りてきていますが、少し違った形になったり、拡張されたりしています。

多くのチャンネルは知覚に基づいていますが、複数の知覚が複合しているチャンネルもあります。

視覚チャンネルは、ビジュアルな視覚的なコミニケーションチャンネルです。絵を見たり書いたり、景色をながめたり、色や形を認識したり、ファッションをコーディネイトしたりするときには、視覚チャンネルを使っています。眠ったときに見る夢も、主に視覚的な体験を中心とする人が多いです。外的に物事を見て認識するだけでなく、内的にイメージをしたり、ビジョンを創造するのも、視覚チャンネルです。

聴覚チャンネルは、音のチャンネルです。プロセスワークの一部の人たちは、言語チャンネルと、音声チャンネルを分けています。言葉の部分は、言語チャンネルで、それ以外のリズム、テンポ、音の抑揚、その他の音は、音声チャンネルに分類していたりします。本は、目で読みますが、読む部分は、言語チャンネル、挿絵は視覚チャンネルで経験します。このチャンネルも、外部の音や言葉を認識したり、発声したりする他、内的な声を効いたり、音や言葉を想像したりする体験も、音声、聴覚チャンネルを占有しています。

臭覚、味覚チャンネルは、もちろん存在しますが、授業や本で触れられることは、珍しいです。アロマセラピーや料理関連の方、ぜひこのチャンネルを深めて行って欲しいです。

感覚チャンネルは、触覚や温度等を感じるチャンネルです。胃の痛みを感じたり、肩こりを感じたり、心臓が熱くなるのを感じるのが、このチャンネルです。プロセスワークでは、皮膚で感じるのも、内蔵や、関節、筋肉を感じるのも、全部まとめて、感覚チャンネルとして扱います。自分の体を感じるのも、他の人の身体を感じるのも、ここに含まれます。感覚を想像したり、外部の感覚を認識するのも、このチャンネルです。感情は、主にこのチャンネルで認識されますが、感情チャンネルを、感覚チャンネルから、独立した別チャンネルとして扱っても良いのでは無いかと、私は思っています。

聴覚、視覚、感覚チャンネルのうちの、1つか2つを主につかっている人が、比較的多いです。

運動チャンネルは、動きに関するチャンネルです。身体をうごかしたり、プロジェクトを動かしたり、運動を認識したりするのも、このチャンネルです。行き詰まったり、落ち込む体験も、この運動チャンネルである可能性があります。このチャンネルも、内的な動きを認識、想像したり、外部の運動を認識したり、思い出したり、想像したりするのに使われます。

以上が、シングルチャンネルファミリー、単チャンネル系で、以下は、マルチチャンネルファミリー、複合チャンネル系、になります。複合チャンネル系では、複数の単チャンネル系で経験することができます。

関係性のチャンネルは、人間関係や、2つの物事のつながりの部分で発生する情報の、通り道です。関係は、視覚でも聴覚でも、運動でも、感覚でも経験することができます。例えば、二人で踊ると、関係性のチャンネルを、主に運動チャンネルを使って経験していると言えます。二人で、言葉を使って話し合えば、関係性のチャンネルを言語チャンネルで占有すると言えると思います。自分の中の感情的な部分と、知性的な部分が、よく話し合って関係がよくなるのも、関係性のチャンネルを(言語チャンネルを通して)使用しています。

最後のチャンネルは、世界チャンネルです。この世界チャンネルも、複合チャンネル系なので、音声チャンネル、視覚チャンネルなど、色々な単チャンネルを通して経験します。世界チャンネルは、グループや、組織、社会、世界で起こることを通した、情報チャンネルです。組織が活性化したり、飲み会が盛り上がったり、社会問題が改善したりするのは、世界チャンネルを占有している例です。自分の中の3つ以上の色々な部分を、視覚的に描いてみて、全体像がすっきり見えてくるのは、内的な世界チャンネルを、主に視覚チャンネルを通して経験した、占有したと言えると思います。

運動、関係性、世界チャンネルを主な占有チャンネルにしている人は、わりと少ないですが、それなりに存在しています。少数派になりがちなので、短く説明したり、チャンネル変換してサポートしてあげると、良い感じになるときもあります。

組織の経営などをしている人は、主に世界チャンネル使いますが、たまに、関係性をバリバリ使って構成されている組織もあります。

ちなみに、言語チャンネルが得意な人は、動詞の部分によく注意を払うと、チャンネルが認識しやすいです。「見た」「派手だった」など、視覚的な表現であれば、視覚チャンネル、「聞こえた」「うるさかった」等であれば、聴覚等です。ただ、複合チャンネル系は、ちょっと難しいです。関係性のチャンネルと、世界チャンネル、見分けがつくのには少し慣れが必要なので、うまく分けられなくても、あせらず、練習してください。

いつも使っているチャンネルは、虹色というか、色々な豪華で多様な事柄を、細かく意識的に認識をしたり、想像したりすることができます。ふだんあまり使っていないチャンネルは、がっちり100%使うか、まったく使わないか、白か黒か、はっきりしてる場合が多いです。

例えば、視覚チャンネルをあまり使わない私は、絵画を分析しろと言われると、がっちり、見て色々な仮説を立てることができますが、普段は、会った人の髪の色や、目の色、着ていた服装や色等は、思い出すことが、ほぼできません。プロセスワークの3つのレベルの画像は、私が作ったのですが、見ていただいても、絵が上手で無い、視覚チャンネルはあまり得意でないのは、わかりやすいと思います。私が、関係性のチャンネルを今より、ずっと使っていなかった頃は、電話をするのが好きではなかったです。一度思い切って、1人に電話をすると、その直後に3人から5人くらい、電話をかけていました。大きく、オフ(電話しない)とオン(5人に電話する)の2つの状態を行き来して、その中間(1人か、2人だけに電話する)が、あまりないのが、使っていない未使用、未占有チャンネルの特徴です。

私の比較的よく使う、言語チャンネルや、まあまあ定期的にしているダンスの運動チャンネルだと、表現も認識も、細かく調整したり、わりと、詳細まで覚えていて、比較的あまり、忘れません。顔が見えなくても、踊り方で、特定の人を同定する可能性も、まあまああります。組織やグループで起こっている事柄は、すこし説明してもらうと、だいたいどんな事柄が起きているかわかります。想像でおぎなっても、間違っている可能性が、まあまあ低いのは、世界チャンネルをわりと使ってきたからだと思います。

「話が噛み合わない」時には、色んな事が起こっている可能性がありますが、チャンネルが合っていないのも、よくある原因です。同じチャンネルで、コミニケーションすると、「話が噛み合う」ことがあります。

あまり使っていないチャンネル、オンか、オフしかないチャンネルは、問題が起きやすいです。毎日でも、毎週でも、毎月でも、毎年でも、定期的に何回も何回も、使っていると、ゆっくりですが、だんだんとレインボー度が上がります。専有するのが楽になっていったり、そのチャンネルで起こることが、細かく認識したり、気がついたりできるようになっていきます。

私は、前に書いたように、関係性のチャンネルと視覚チャンネルが、比較的未占有だったので、その周辺にトラブルが多かったです。関係性のチャンネルは、住んでいたポートランドが、知らない人でも、目の前にいる人とは、わりと話しかけるのが普通という文化だったので、お買い物をするたびに、レジの人とちょっとだけ会話することで、結構伸びた気がします。

まだ6000字位なので、どんどん書き足します。

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