ポートランド ネイバーフッド エマージェンシー チーム (NET) について
オレゴン州ポートランド市の消防団的なものですが、火事だけでなく、ふだんファーストレスポンダーとよばれる緊急対応をする人たちの手に余る緊急事態に対応する為に作られた、市のボランティア活動です。
NETのコアの部分は米国連邦緊急事態管理局(FEMA)の自主防災組織(CERT)に基づいていて、ポートランドで発展し、現在では、全米最大のCERTプログラムとなっています。
CERT: Community Emergency Response Team (サートと発音します)もコミュニティ緊急事態対応チーム、地域の緊急事態対応チーム、米国緊急事態対応チーム、自主緊急救助隊など、日本語訳がいろいろあるようです。どの訳も、じっくり良く読んでみると、納得できる感じがします。さらにコンピューターの用語でもCERTが使われているので、ちょっと混乱します。
CERTは、1985年 2 月にフランク・W・ボーデン(ロサンゼルス市消防局 副司令官(LAFD)を代表とする一団が静岡県の自主防災組織を視察し、それを参考として、ロサンゼルス市消防局が始めた訓練プログラムなんだそうで、全米の群や市に、いろんなCERTプログラムがあります。
さらに方向性としては、一つのチームで一つのネイバーフッドをカバーするというのに無理があるということがわかり、レジリアンスブロックResilience Blockという、各チームが守備範囲を自由に決めて、近くの消防署につながっていくという形に、ゆっくりと移行しているところです。
現在NETの内の役割は、チームリーダー、アシスタントチームリーダー、アマチュア無線通信士、メンバーの4種類しかありませんが、次世代のレジリアンスブロック形式では、40ー50以上の役割があり、現在のNETの4つの役割のように、消防隊員などから30時間のトレーニングを受けなくてはいけない役割は、ほんとうにちょっぴり、数個くらいしかありません。
ポートランドにはNETができる前からSpecial Emergency Reaction Team (SERT)という、警察のSWAT部隊があったので、それと同じ発音のCERTでは、危険なので、NETという名前になったそうです。
今回のゆっくりで長い新型コロナ緊急事態も、北米西海岸にくる予定のカスケーディアサブダクションゾーン、プレートの沈み込み帯が起こす地震の、訓練という視点でもとらえられています。
ポートランド市のPBEM(ポートランド緊急管理局)のNETページです。
詳細はNET ガイドライン もご覧ください。